旧下谷小学校
【台東区東上野4−7−9】
設計:東京市
竣工年:1928年(昭和3)
Photo:2023年7月
先週土曜のこと。
長年、使い道がなく廃墟と化していた旧下谷小学校がいよいよ取り壊されることが決まり、旧下谷小学校校舎見学会が催されることにになったので、行ってきました。
この旧下谷小学校も関東大震災により焼失し、1928年(昭和3)に建てられた復興小学校になります。1990年(平成2)に閉校してからは、様々な仮校舎として使われるも、用途が決まらず取り壊しになりました。
台東区役所の裏手にあるので、有効活用出来そうな気もしますが・・・。
だいぶ蔦が伸びていますが、復興小学校なので、建物は頑丈に出来ています。
真ん中の建物が小学校です。
ちょっと、歪な式敷地になっているのが、わかります。
ちなみに、左は会社(?)で、右は民家だと思われます。
講堂
こちらは、蔦が確認出来ませんでした。
手入れをしたのでしょうか(?)
校庭から校舎を望む。
校舎の形は、変形コの字型になっていて、校庭を広くするため、講堂を少し曳いています。
昭和30年代頃。
まだ、この頃はコの字になっています。
講堂
意外と規模の割には、こじんまりとした講堂です。屋内体操場と兼用していたそうです。
昇降口。
アールデコ調の飾りが付いています。
昇降口内部。
下駄箱がづらっと並んでいたと思われます。
奥は、通用口。
右側は、校長室、職員室と続きます。
用務員室か(?)
さすが、95年前の建物です。年季の入った廊下です。
職員室。
左にある鉄扉は、奉安庫です。
御真影と教育勅語を保管するところです。
御真影とは、ここでは天皇・皇后のことを指します。
真ん中の扉は、朝礼台に繋がっています。
朝礼台
校長室。
向こうは、会議室になります。
階段の笠木と踏み板
笠木とは、階段などの手すりや塀の頂の部分に取り付ける仕上げ材のことです。
今では、珍しい木製で出来ています。
また、階段の踏み板はケヤキ材で作られており、段鼻の部分が丸く整えられています。
子供たちのために、蹴上のも低めになっています。
第2昇降口
講堂の出入口の鉄扉。
校庭側が塞いであります。
音楽室。
ここだけ、半円形の欄間があって、ちょっとオシャレです。
一般教室
床と腰壁は、危険防止のため、全て板材で仕上げています。
また、校庭側の窓は採光がおおくとれるように低くしてあります。
屋上。
初めて、復興小学校の中を見学しましたが、随所に子どもたちへの気遣いを感じる建築でした。
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