tokyo.sora(Δ版)

久々に、ブログ内の整理が進んだのでバージョンを上げます。日々のことを徒然と。映画の感想が多いですが、決して映画ブログではありません、 坂探索は、ケイゾク

旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)━其之参━

旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)━其之弐━からの続き

tokyosora.hatenablog.com

 

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妃殿下寝室
楕円形の鏡の付いた白いドア、上下に移動できる布シェード付きの照明など、フェミニンな雰囲気に溢れています。壁面にある円形と長方形それぞれに格子と花を配した暖房機用カバーは、妃殿下ご自身が描かれたデザインがもととなっています。

 

f:id:hiro-jp:20190804154651j:plain妃殿下居間
やや浅めのヴォールト天井に取り付けられた5つのボール状の照明は、各部屋ごとに意匠を凝らした照明の中でも特に際立っています。
1枚ものの大きな鏡、実用的な造り付けの棚や開き戸など、宮邸の建築に並々ならぬ情熱を注いだと言われる妃殿下の趣味嗜好が、至るところに伺える。

 

f:id:hiro-jp:20190804155327j:plain南側ベランダ
建物の南側にあるこのべらんだからは芝庭や日本庭園が一望できます。殿下、妃殿下の居室からのみ出入りできる、ご夫妻専用のベランダです。床には国産の黒と白の大理石が市松模様に敷かれています。
庭を望む南面には半円形のバルコニーを備え、床には泰山タイルが敷き詰められている。

 

f:id:hiro-jp:20190804154928j:plain北側ベランダ(北の間)
南側のベランダに対して「北の間」と呼ばれ、夏期の家族団欒の場として使用されていました。上部には天窓を設けてガラスブロック越しに外光を取り入れ、」開放的な野外の雰囲気を演出しています。柱はチーク材を浮造りにして柾目を浮立たせ、床には布目タイルがモザイク状に張られるなど、手の込んだ作りとなっています。二階広間との仕切り窓は、異なる種類のガラスを組み合わせて面を構成し、モダンな空間を形成しています。

 

f:id:hiro-jp:20190804155032j:plain床の布目タイル。

 

f:id:hiro-jp:20190804155748j:plainウインターガーデン
ウインターガーデンは、温室として屋上階に設けられました。室内には花台や水道の蛇口、排水口が備えつけられています。
市松模様の床は人造大理石、腰壁には国産大理石を使用されているところに、当時の職人の技術の高さを窺うことができます。1932年(昭和7)5月に東京松坂屋で殿下自身が購入されたマルセル・ブロイヤーのデザインした椅子が置かれていました。

 

f:id:hiro-jp:20190804160047j:plain姫宮居間
扉や床にモミジ材が使われています。サーモンピンクの大理石「紅霰」で政策されたマントルビースと円形の鏡は、可憐で和らぎを感じさせます。壁紙は虹色の波形ストライプで、明るい色彩となっています。ラジエーターカバーの模様は百合の花で、妃殿下自身が下絵を描いたものと言われています。床の寄木は、ケヤキとカーリーメープルで矢羽張りにして、縁をローズウッドで装飾しています。

 

f:id:hiro-jp:20190804160708j:plain小食堂
この部屋は、朝香宮一家の日常の食事の際に使用されました。邸内には珍しく和の要素が取り入られた部屋です、天井には杉の柾目板が使用され、床の間も設けられています。ラジエーターカバーは、ブロンズ鋳物で日本古来の源氏香の模様がデザインされています。床の寄木は、ローズウッドを中心にしてケヤキ材が囲んでおり、その周りを黒檀で装飾されています。左側の扉からは藤野バーゴラと床に敷き詰められた泰山タイルのテラスを見ることができます。

 

f:id:hiro-jp:20190804171822j:plain芝庭から旧朝香宮邸を望む。


朝香宮邸(現東京都庭園美術館)━おわり━

 

 

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